無料ライブ配信ソフト「OBS」を使い倒す!基本操作・応用操作まとめ
- LiveMedia
- 8月8日
- 読了時間: 8分
更新日:8月13日
OBS は、完全無料で利用できるオープンソースのライブ配信・録画ソフトウェアです。YouTubeライブ、Twitch、Facebook Liveなどのプラットフォームでの配信から、企業のウェビナーやオンラインイベントまで、幅広い用途で利用されています。
プロレベルの配信機能が無料で使えることから、世界中で圧倒的な人気を誇るOBS。日本でも多くのクリエイターや企業が利用していますが、多機能ゆえに「使い方がわからない」という声も多く聞かれます。vMixとは異なりWindowsのみではなくMacでも利用することができます。
本記事では、OBSの基本的な使い方から応用テクニックまで、体系的にまとめました。初心者から上級者までぜひご活用ください。
OBSの特徴と価格
価格:完全無料で利用可能
対象OS:Windows、Mac
OBSの最大の魅力は、すべての機能が完全無料で利用できることです。有料ソフトに劣らない高機能を提供しており、商用利用も制限なく可能です。
目次
OBSの基本操作
映像の入力や音の設定、配信・録画方法まで基本的な設定はこちらからご確認ください。
カメラ映像入力

OBSでは様々な方法でカメラ映像を入力できます。
USB/Webカメラの場合:
「ソース」エリアの「+」をクリック
「映像キャプチャデバイス」を選択
接続されているカメラデバイスが表示されます
NDI対応カメラの場合
NDIは遅延なく映像を入力することができる映像プロトコルです。(同じネットワーク間のみ利用することができます。)
iPhoneで利用することができる高機能カメラアプリ「LM-Cam」を使えば、高品質なNDIカメラとして無料で利用できるため、複数台のカメラを使った本格的な配信も簡単に実現できます。
NDI入力方法
OBS NDIプラグインをインストール
「ソース」→「NDI Source」を選択
ネットワーク上にあるNDIデバイスを選択
※利用に際してOBS用のNDIプラグインをインストールする必要があります。
https://github.com/DistroAV/DistroAV/releases ▷NDIプラグインはこちらからダウンロードすることができます。 ダウンロードはバージョンにある「Asset」からご利用のOSを選択してインストールしてください。(バージョンは最新のものをご利用ください)

SRT対応カメラの場合
SRTはNDIと比べて若干の遅延は発生しますが、非常に安定した映像伝送が可能となります。高機能カメラアプリ「LM-Cam」を利用して、Tailscaleを使用することにより異なるネットワークからでも使用することができるので、屋外からでもキャリア通信を利用することで映像を伝送することが可能となります。
1.「ソース」→「+」ボタン→「メディアソース」を選択。
2. SRT入力設定
「ローカルファイル」のチェックを外す
「入力」欄にSRTのURLを入力
設定の詳細以下URLから御覧ください。
・LM-CamでSRTをご利用方法 https://www.lm-cam.net/post/lm-cam-srt-obs
・SRTを屋外からご利用方法 https://www.lm-cam.net/post/tailscale-lmcam
映像の調整方法
入力された映像は、ソースを右クリック→「フィルタ」で詳細な調整が可能です。
調整項目 | 設定内容 |
色補正 | 明度、コントラスト、ガンマ、彩度の調整 |
クロマキー | 背景除去(グリーンバック等) |
映像遅延 | 音声同期用の映像遅延調整 |
クロップ/パッド | 映像の切り抜きや余白追加 |
スケーリング | 解像度やアスペクト比の変更 |
シャープネス | 映像のシャープ感調整 |
ノイズ除去 | 映像ノイズの軽減 |
動画の入力

事前に用意した動画ファイルをOBSに読み込めます。
「ソース」→「+」→「メディアソース」
動画ファイルを選択
対応フォーマット:MP4、AVI、MOV、MKV、FLVなど
画像の入力

配信開始・終了時のふた絵や、ロゴ画像などを表示できます。
「ソース」→「+」→「画像」
画像ファイルを選択
対応フォーマット:PNG、JPEG、BMP、GIF、TGA、SVGなど
外部ミキサー音声
ミキサーなどの音声をUSB経由で入力をすることができます。

外部マイクやミキサーからの音声を入力できます。
マイク音声:
「ソース」→「+」→「音声入力キャプチャ」
「デバイス」からオーディオデバイスを選択
テキスト/テロップの入力

配信中にテキストやテロップを表示できます。
「ソース」→「+」→「テキスト」
表示するテキストを入力
フォント、色、背景などをカスタマイズ
※日本語テキストを正しく表示されない場合、フォントを変更することによって正しく日本語が表示されます。
▷ソース → + → テキスト(GDI+)/テキスト → フォント → Hiragino 系(ヒラギノ)を選択
配信の設定

OBSから各プラットフォームへ同時配信も可能です。
「設定」→「配信」
配信サービスを選択(YouTube、Twitch、カスタムRTMP等)
サーバー:URL、ストリームキー:をそれぞれ入力※カスタムRTMP以外を選択した場合はサーバー:URLの入力は不要です。
「設定」→「出力」
「ビットレード」から適切なビットレートを設定します。※プロファイル、レート、キーフレームなどはプラットフォームに合わせて設定してください。
「配信開始」をクリック
配信時の解像度やフレームレートを変更する
配信時にFULL HDや4Kや、フレームレートを変更することができます。
・設定 → 映像 → 出力(スケーリング)解像度
録画(REC)の設定

OBSで録画を行う際は配信と同じよう要領でRECが可能です。
「設定」→「出力」→タグ「録画」※録画が表示されない場合は出力モードを「詳細」にしてください。
「映像ビットレート」で画質を調整(ビットレートが高いほど高画質となりますが、入力されている映像を上回るビットレートで録画をしても画質は変わりませんのでご注意ください。)
「ファイルパスまたはURL」から保存場所を指定
「録画開始」をクリック
OBSの応用操作
無料で使用することができるOBSですが、様々な機能が備わっておりこれらを使用するとより便利に使用をすることができます。
クロマキー合成での背景除去
グリーンバックなどを使った背景除去をすることが可能です。
映像ソースを右クリック→「フィルタ」
「+」→「クロマキー」
除去する色を選択し、閾値を調整
ウェブブラウザの操作画面、Youtubeの映像を映したい

ブラウザ画面をそのまま配信に映せます。
「ソース」→「+」→「ブラウザ」
表示したいURLを入力
幅・高さを設定
YouTube動画の埋め込み表示なども可能です。
デスクトップ画面・起動中のアプリを映したい
パソコンのデスクトップに表示されてるアプリなどを直接OBSに表示をすることが可能です。
・画面全体をキャプチャ:
「ソース」→「+」→「スクリーンキャプチャ」
キャプチャするディスプレイを選択
・特定のウィンドウのみ:
「ソース」→「+」→「ウィンドウキャプチャ」
キャプチャしたいアプリケーションを選択
送り返し設定方法
映像送り返しも可能で同じネットワーク限定となりますが、NDIを利用することで送り返しをすることができます。
・NDIでの出力
OBS NDIプラグインをインストール後
ツールにある「NDIプラグイン」→「NDI Main Output」を有効化
受信側で「NDI Studio Monitor(アプリ)」等で受信
複数音声トラックでの録画
ポストプロダクション用に複数音声を分離録画。
「設定」→「出力」→「録画」
「音声トラック」で複数トラックを選択
各音声ソースで出力先トラックを設定
ワイプ(映像の重ね合わせ/PIP)の設定方法
テレビなどでもよく見かけるワイプもOBSでは簡単に設定をすることができます。

1. 複数の映像ソースを追加
・メインで表示したい映像(例:カメラA)を「ソース」に追加
・ワイプ用に重ねたい映像(例:カメラBや別動画)も追加
2. ワイプ映像(上に載せるソース)を選択
「ソース」リストの順番は上ほど手前に表示されます
ワイプにしたいソースをドラッグで最上部に
3. サイズ・位置を調整
ワイプにしたいソースを選択 → 四隅の赤い枠や中央の枠をドラッグして縮小&好きな位置に移動し右下や左下など目立たせたい場所に配置
4. 枠線・丸型ワイプなどアレンジ(任意)
「フィルタ」→「エフェクトフィルタ」でマスクや枠線追加も可能
「イメージマスク/ブレンド」で丸型・角丸ワイプも設定可
マルチビューの設定

OBSに入力されているすべての映像を一覧で確認することができます。
1.「メニュー」→「表示」
2.「マルチビューを開く」で表示したいディスプレイを選択
エンドロールの作成方法

▷エンドロールを作成するには手間がかかるので、以下の方法で設定をすることができます。
・縦スクロールのエンドロールを作る
ソース → + → テキスト(GDI+)/テキスト → エンドロールクレジット文を貼り付け → 右クリック(テキスト(GDI+)/テキスト) → フィルタ → エフェクトフィルタ → + → スクロール → 垂直速度を調整
※水平調整に変更することで、横スクロールにすることができます。
各設定の保存方法
▷設定を保存する際に様々なOBS設定を保存することが可能となります。
現在の設定を保存(バックアップ)する
上部メニュー → プロファイル → エクスポート → 保存先を指定 → 保存
シーン構成も保存する:
上部メニュー → シーンコレクション → エクスポート → 保存先を指定 → 保存
別環境で復元する
▷別のPC環境などで同じ設定を復元するには以下の手順で設定を変更することができます。
上部メニュー
・プロファイル → インポート → 保存したファイルを選択 → 適用
・シーンコレクション → インポート → 適用
OBSの魅力:完全無料の高機能配信ソフト
OBSの最大の魅力は、プロレベルの配信機能がすべて無料で利用できることです。商用利用も制限なく、個人から企業まで幅広く活用されています。
さらに、LM-Camなどの高機能アプリと組み合わせることで、iPhoneを高品質なワイヤレスカメラとして活用でき、本格的なマルチカメラ配信も簡単に実現できます。
無料でありながら、有料ソフトウェアに匹敵する機能性を持つOBS。この記事を参考に、ぜひOBSを使い倒して魅力的なライブ配信を実現してください。




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